野口整体を愉しむ

未来を先どりする野口晴哉の思想と技法

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

整体操法の基礎を学ぶⅢ(76)型、処、基本型など(最終回)

今回で、「整体操法の基礎を学ぶ」のⅠ・Ⅱ・Ⅲの最終回となります。これらが、私と私の知人がI先生から学ばせていただいた講習会の資料のほとんど全てです。講習会が終了したあとも、私が困ったり悩んだりしたときには、長時間電話でご指導を仰いだり、直接個…

整体操法の基礎を学ぶⅢ(75)操法における「触れる」ということ

<野口晴哉氏の思想と技術は、未来を先どりしている。> 私がそう考える理由は、氏が自己の身体と意識のみ用いて、「整体」という理念に向けて、人間の身体や心に働きかけるという方法を見出だしたと見えることによっている。 自分というもの以外の何物も用…

整体操法の基礎を学ぶⅢ(74)腰部活点の操法

I先生「整体操法講座の第九回目です。前回と同様、操法の基本を練習を通して身につけることを目標に行います。復習とはいえ、指先に集注して真剣にやってみてください。練習とはいえ、相手の身体に触れるということが、結果として相手の身体の自然を乱すよう…

整体操法の基礎を学ぶⅢ(73)椎側の操法等の練習

I先生「それでは整体操法講座の第八回を始めます。まずこれまでやってきた整体操法の技術や手順の基礎的な問題について、おさらいの意味で説明してみます。そのあとで、各調律点の練習を時間をかけて行ないたいと思います。」 (椎側の操法) 背骨の両端にく…

整体操法の基礎を学ぶⅢ(72)愉気法と整体操法の基本的な違いについて

「整体とは何か」、「整体操法とは何か」という問いに対して、野口晴哉氏は一般の人向けの回答と、整体指導者向けの回答の二つを示してくれています。臨機説法ではないですが、これらの問いに野口氏がいかに真摯に、かつ率直に、何ごとも包み隠すことなく、…

整体操法の基礎を学ぶⅢ(71)椎側の問題

この講義記録をブログに書き込んでいる私の心に、いつも去来しているのは、ある種の戸惑いです。野口整体の言葉が、現代を生きている私に何をもたらしてくれるものなのか。野口氏の言葉を、自分の人生のどこに位置付けていけばよいのか。上手く位置づけられ…

整体操法の基礎を学ぶⅢ(70)眼の問題

I先生、「整体操法講座第五回目の今日は、<眼>の問題について説明したいと思います。」 眼の問題、そのなかでも眼のまわりの筋肉の関係。これは頸椎二番が最初に関係してくる。眼のまわりの筋肉や粘膜の故障。トラホームとかはやり目とかは眼縁の病気です…

整体操法の基礎を学ぶⅢ(69)整体操法の対象

われわれは、体のちょっとした変化にも不安を抱いてしまう弱い存在です。あの親鸞でさえ、弟子の唯円に、自分はちょっとした体の異常に接しただけで、すぐにでも死んでしまうのではないかと不安になってしまう、というようなことを『歎異抄』の中で語ってい…

整体操法の基礎を学ぶⅢ(68)一側を読む

I先生「前回は頭部調律点の復習をしましたが、今日は背骨の触り方についての復習を行ってみたいと思います。」 頭部をやる場合に、「叩く」、「押さえる」、「愉気する」の三通りの方法がありました。場所は、大部分が頭の骨と骨の縫合部というつなぎ目にあ…

整体操法の基礎を学ぶⅢ(67)頭部調律点と解剖図

I先生の講座を通して、間接的にではあっても、野口氏の息遣いや、その情熱の形に触れることで、整体操法の凄さといものが、より鮮やかに私たちに伝わってくる、そんな想いを抱きながら、このブログを書き進めています。 最近では、多くの人達によるさまざま…

整体操法の基礎を学ぶⅢ(66)「整体操法講座」を始めるにあたって

I先生。「中等講座につづく講座を始めます。この整体操法講座は、これまでやってきた基本形を体全体、運動系全体の関連の中で、より具体的に展開できるようにする目的で行います。個々人のさまざまな運動の特徴にそって、いかにして整体指導を行っていくかに…

整体操法の基礎を学ぶⅡ(65)各体癖の特徴とその矯正法

I先生。「今日は体癖とその矯正法を概観しておこうと思います。」 12種類の体型の特徴 第一種 上下型 1.頭の系統で、一応頭で考えないと身体の働きにならない。頭が身体を支配する。 2.力が前にかかる傾向。下を向くと後ろにかかる。 3.D5から上が弛まない…

野口整体の基礎を学ぶⅡ(64)「勢い」ということ

I先生、「これまでの講座で皆さんに覚えてほしかったのは、体のなかにある力、これを一応「勢い」と呼んでおきますが、この「勢い」の使い方とその処理ということが、中等講習での重要な課題としてずっと流れていたものなんです。そこで今日は、まず「勢い」…

整体操法の基礎を学ぶⅡ(63)整体操法を行う立場について

I先生「整体操法を行うとは、どういう視点に立ってするのか。その為には、操法しようとする自分の考え方、操法する目的、操法する為に必要な立処というものを確立しておく必要があります。そういうものがしっかりしていないと、結局のところ、不安から余分な…

整体操法の基礎を学ぶⅡ(62)気と観察

明けましておめでとうございます。風もなく澄んだ夜空に星々が煌めいています。2019年が、平穏な日々の繰り返しでありますよう、心からお祈りいたします。遠くの真宗のお寺からは参拝者が順々に突く除夜の鐘の音が響いてきます。 私も体を清め、といってもお…