野口整体を愉しむ

未来を先どりする野口晴哉の思想と技法

椎側 一側・二側・三側

「整体操法高等講座」を読む(22)婦人操法(2)

今日は婦人操法の第二回目です。私はちょっと脇道にそれて、三木成夫(しげお)氏の『胎児の世界 ー人類の生命記憶ー』(中公新書1983.5.25)と、最相葉月(さいしょうはづき)氏と増崎英明氏の対談本『胎児のはなし』(ミシマ社2019.2.4)の二冊を同時並行…

整体操法の基礎を学ぶⅢ(73)椎側の操法等の練習

I先生「それでは整体操法講座の第八回を始めます。まずこれまでやってきた整体操法の技術や手順の基礎的な問題について、おさらいの意味で説明してみます。そのあとで、各調律点の練習を時間をかけて行ないたいと思います。」 (椎側の操法) 背骨の両端にく…

整体操法の基礎を学ぶⅢ(71)椎側の問題

この講義記録をブログに書き込んでいる私の心に、いつも去来しているのは、ある種の戸惑いです。野口整体の言葉が、現代を生きている私に何をもたらしてくれるものなのか。野口氏の言葉を、自分の人生のどこに位置付けていけばよいのか。上手く位置づけられ…

整体操法の基礎を学ぶⅢ(70)眼の問題

I先生、「整体操法講座第五回目の今日は、<眼>の問題について説明したいと思います。」 眼の問題、そのなかでも眼のまわりの筋肉の関係。これは頸椎二番が最初に関係してくる。眼のまわりの筋肉や粘膜の故障。トラホームとかはやり目とかは眼縁の病気です…

整体操法の基礎を学ぶⅢ(69)整体操法の対象

われわれは、体のちょっとした変化にも不安を抱いてしまう弱い存在です。あの親鸞でさえ、弟子の唯円に、自分はちょっとした体の異常に接しただけで、すぐにでも死んでしまうのではないかと不安になってしまう、というようなことを『歎異抄』の中で語ってい…

整体操法の基礎を学ぶⅢ(68)一側を読む

I先生「前回は頭部調律点の復習をしましたが、今日は背骨の触り方についての復習を行ってみたいと思います。」 頭部をやる場合に、「叩く」、「押さえる」、「愉気する」の三通りの方法がありました。場所は、大部分が頭の骨と骨の縫合部というつなぎ目にあ…

整体操法の基礎を学ぶⅢ(67)頭部調律点と解剖図

I先生の講座を通して、間接的にではあっても、野口氏の息遣いや、その情熱の形に触れることで、整体操法の凄さといものが、より鮮やかに私たちに伝わってくる、そんな想いを抱きながら、このブログを書き進めています。 最近では、多くの人達によるさまざま…

野口整体の基礎を学ぶⅡ(64)「勢い」ということ

I先生、「これまでの講座で皆さんに覚えてほしかったのは、体のなかにある力、これを一応「勢い」と呼んでおきますが、この「勢い」の使い方とその処理ということが、中等講習での重要な課題としてずっと流れていたものなんです。そこで今日は、まず「勢い」…

整体操法の基礎を学ぶ(34)椎骨の可動性

椎骨の観察で特に重要なことは、その可動性を確かめることにある。可動性に異常のある椎骨が悪い骨で、その椎側にも異常がある。 背骨は揺すぶると動きます。押さえると、その反動で盛り上がってきます。この押して戻ってくる力の度合いを見ることが可動性の…

整体操法の基礎を学ぶ(33)背骨の観察

この「はてなブログ」の記録を進めながら、ふと気づくと、少しずつ読者の方の眼差しが増えてきていることがわかります。そしてそのことで、とても勇気づけられている自分がいることを感じ、また喜びを感じます。有難いことです。わずかながらでもお役に立て…

整体操法の基礎を学ぶ(32)三側の操法

I先生「家に帰って練習できましたか。今日は三側の操法の練習を中心にやってみます。」 一側は頭の調整で変化する。なかでも頭部第二調律点と第三調律点を結んだ線上が、特に一側の調整と関連している。第四は腰椎部分と関連している。第五は胸椎部分の硬直…

整体操法の基礎を学ぶ(30)整体操法に入る前の準備

I先生。「今日は整体操法を実際に行うに際して、みなさんが予め知っておくべきことを、練習を通してやってみたいと思います。」 操法に入る前の準備 一番初めにやることは、お辞儀をし合うということです。以前、お辞儀をしながら相手の異常を観察する、と言…

整体操法の基礎を学ぶ(29)指の操法

野口整体という一つの体系が、現代においてどのような意味をもつものかは、いまの私にはうまく答えられない。このブログで、野口氏のからだについての言葉や、からだに働きかける技法の言葉を、I先生の教えを手掛かりにして素直に感動して学んでいる自分がい…

整体操法の基礎を学ぶ(22)礼について

礼について 整体操法では、礼というものは、お互いの生命を大事にする、尊重するために行うということになっていますが、そのほかにもいろいろな意味合いをもっています。 整体操法の欠点の一つとして、相手に手を当てると、つい親しくなって、余分に親切に…

整体操法の基礎を学ぶ(19)病気を経過させる

第19回目のこの日の講義は、野口整体法の重要なキーワードの一つである「病気は経過させるもの」についてです。野口氏の言葉のすべてに通奏低音として鳴り響いているのが、生命や生きていることそのものへの敬意であり、生命に対しての礼をもっての受動的身…

整体操法の基礎を学ぶ(18)一側操法

今回で三回目の「一側」をめぐる講義です。一側について、これほど豊かな表現を与えている野口氏に、驚きと畏怖の念を抱かずにはおられません。素人の私たちにも何とか一側のもつ多彩な表情をとどかせようと、くりかえし繰り返し、重層的に語りかけています…

整体操法の基礎を学ぶ(17) 一側の影響圏

一側の影響圏 一側は、呼吸器の問題、生殖器の問題、神経系統の大脳緊張の問題と関係がある。一側は正常の場合、七、八本の線をバラバラと感じるが、体が悪いと一本になる。あるいは全然触らなくなる。 外側の筋肉にある線は、二本ないし三本で、これはあま…

整体操法の基礎を学ぶ(16)一側の観察

I先生からの講義の16回目。いよいよ「一側」についてである。I先生の教えは、野口晴哉先生やその高弟指導者から直接学ばれた経験と、野口先生の著作や口述記録等を手掛かりにI先生ご自身が整体指導者として積み重ねてこられた経験とが織り込まれた、得難い宝…

整体操法の基礎を学ぶ(15)脊椎操法

脊椎操法 脊椎の異常というのは、それを正すことより、それがひとりでに整っていくように仕向けることに意味がある。脊椎そのものを調整するということは、整体操法ではあまりしない。ただ、曲がっている状態に応じた刺戟を加えると、自動的に整っていく。 …

整体操法の基礎を学ぶ(14)下肢操法

新シリーズ第二回目(通算第14回)の今回は、「下肢操法」がテーマです。目指すべき美しい頂上は遥か彼方で、裾野の草木を押し分けながら、すこしずつループ状に歩みを前に進めることしか出来ませんが、それでも野口氏の導きの糸は、はっきりと示されていま…

整体操法の基礎を学ぶ(13)体の読み方

「今回から11回にわたり、触手法、呼吸法、処などを一応マスターした準段位程度の者を対象に講義、実習を行う。今回以降の内容は、各処(ところ)の具体的な使い方や矯体操法のやり方など、細部に入っていくので、たとえ練習といっても、度が過ぎると体を壊…