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整体操法の基礎を学ぶ(23)足の問題

足の問題

人間は足で立てるようになり、その為に手が自由になり、手を動かすことによって頭が発達してきた。足で立つようになったために、足の少しの故障が、体のいろいろなところの故障の元になっている。特に、足首と腰との関係は密接で、どのような腰の狂いでも足首に関連があり、その逆に足首に狂いがあると腰も故障しやすい。

もう一つ、足の異常は、頸に直接関係する。そのために、耳鼻咽喉の故障から、頭のモヤモヤに至るまで、足に関連している。

特に足首から先が大事で、その中でも親指の部分が特に大事である。足の親指は、頭が痙攣している場合に、これをつかまえて下(内側)に押さえるようにするとおさまってくる足がつったという場合にも、これを押さえるとなくなる。

 

足首の回転

足首を回転させるコツは、親指は親指で回転させ、足首は足首で回転させることにある。そして両方を回転させながら、つかえる処を見つける。足首の外側か内側か、足首の異常か甲の異常かを見つける。親指をつかまえた時に、頸の方まで動かなければ駄目。回転するときに、肩や首が動くようにやる。

まず足のどちら側に異常があるかを見る。大体は重心側で、足首が太くなっている。仰向けになった時に、足の力が抜けない方、足首の回転の悪い方。回転して動きの悪い処があったら、そのこわばっている処を押さえてみて、それからもう一度回転してみると、前よりも動きがよくなっているようなら、そちら側の足で間違いない。

親指はきれいだが格好の悪い足がある。これは第一蹠骨底の部分の発達が悪い。いつも外側に力がかかっている。お尻の締まり方が弱い場合にはこういう足になる。

足首を回転させていて、両方開いてしまっていて、内側に回転していても全然手ごたえがない、こういう足は痔を起こしやすい。その場合、第四、第五趾骨間が故障していることが多いので、ここを押さえる。すでに痔になってしまっている人は、足の小指の外側に硬結を生じている。

他に、第三と第四趾骨間が狭まっている人は、お腹が痛む。

足の急所として、脱腸(ヘルニア)の処がある。特に老人の脱腸には、ここを押さえることが必須。ここは自分の力では縮んでこない。

第一蹠骨が引っ込んでいる場合は、腰が捻れる。朝起きて腰が痛い、という場合はこの第一蹠骨の発達が悪いことが多い。押さえて伸びの悪い方をやる、両方やっては駄目。

喉は足の内側のすぐ傍、これを骨に向けた角度で押さえる。

内踝のすぐ下は、耳の急所。

外踝が悪いのは、生殖器の異常、外踝が後ろにある。それが下がってくると本式に悪い。

踵は、頸から上の出血を止める急所。

足裏の土踏まずは、泌尿器の急所。足裏のかかと側は呼吸器。

以上、足首を正す場合の操法は、すべて仰臥の状態でやらないと効果が上がらない。