野口整体を愉しむ

未来を先どりする野口晴哉の思想と技法

2019-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「整体操法高等講座」を読む(6)相手の力の使い方(4)

今日の講座記録は、これまでとは違った方法で記述してみます。私が講座の現場にワープしたと仮定し、野口氏の講義をノート片手にメモした場合どうなるか、そんな感じでフィクションを書いてみようと思います。つまり、講座記録を読むというのではなく、講座…

片山洋次郎氏の整体の本(1)

片山洋次郎氏の整体についての著作群は、私のお気に入りである。いつも片山氏の本をバッグに詰め込んで、喫茶店や地下鉄車中でぱらぱらと眺めたり、就寝前に寝転がったまま一言ひとことを味わうのがこの上なく愉しい。 それは、片山氏の語る<整体>が、野口…

「整体操法高等講座」を読む(5)相手の力の使い方(3)

前回の講義録を読んでいる途中から、急に永沢哲氏の大著『野生の哲学ー野口晴哉の生命宇宙ー』(ちくま文庫 2008)が読みたくなり、書棚から取り出して改めて読んでみました。その書き出しは<天使>ということばで始まっています。そしてずっとキーワードと…

「整体操法高等講座」を読む(4)相手の力の使い方(2)

どれほど最善を尽くし、完全を期したつもりでも、それが人間の意識によって行われている限り、必ず一定の限界を持つものである。 整体操法という人為による他者の身体や生命に働きかける技術というものも、その例外ではありえない。こうした事実に、謙虚に向…

「整体操法高等講座」を読む(3)相手の力の使い方(1)

口述記録の冊子の作成というのは、担当された方が、野口氏の講座を、一回一回テープに録音し、それを再生して、テープに耳をそばだてながら、一言一言聞き洩らさないように丹念に文字に落としていく作業です。やったことのある人ならすぐに判る事と思います…

「整体操法高等講座」を読む(2)「間」について

今日の要約は「整体操法高等講座」(昭和42年4月15日)の第二回目です。 <読む>ということは、とても難しいことです。野口氏の表現した言葉に込められた意味を抽象化された概念として理解することの難しさであり、野口氏自身が経験し、獲得した知見や思い…

「整体操法高等講座」を読む(1)体を動かすもの

「整体操法高等講座を読む」と題して、野口晴哉氏の口述記録を始めたいと思います。このブログで「整体操法の基礎を学ぶ」と題して70数回の講座の記録を紹介してきましたが、それらはI先生宅での研究会の様子を、I先生が作成した資料に沿って記録したもので…

野口裕之氏の論文に学ぶ

「月刊全生」最新号(平成31年2月号)が昨日届けられた。そこに「生きること死ぬこと-日本の自壊ー」の先月号に次ぐ完結編がある。これは「教育哲学研究」第89号(2004年5月)に掲載された野口裕之氏のシンポジウムでの発表論文の再掲である。 明治維新以降…

整体操法の提唱

『野口晴哉著作全集第三巻』に「整体操法の提唱」(p.439-617)と題された昭和二十二年から二十六年ごろ、つまり敗戦後間もなくの時期の野口氏の文章がある。 そこには野口氏が「整体操法制定委員会」の委員長を引き受けることになった動機が次のように表現さ…