野口整体を愉しむ

未来を先どりする野口晴哉の思想と技法

2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

養老孟司氏の『遺言。』を読む

養老孟司の近著『遺言。』(新潮新書。2017.11.20発行)を読んだ。養老氏が満80歳になって、ヒトとは何か、生きるとはどういうことかについて、全体的にまとまりがついてきたと思うので本書を書きたくなったのだという。 ここで養老氏が提起しているのは、人…

整体操法の基礎を学ぶⅡ(45)眠りの誘導

眠りを深くする 操法によって体を無理に治そうとしても、それで治しきれるものではない。その人の持っている力を発揮して、その人の力で治るようにしなければならない。ではどうしたらよいか。それには相手の眠るということがきちんと行えるようにすることで…

整体操法の基礎を学ぶⅡ(44)中等講座における救急操法

I先生「今日は、前にやった救急操法の中等編です。」 発熱の見分け方 熱が、朝高くて夕方が低いというのは、体のどこかが化膿している状態。朝が低くて夕方高いのはありきたりの熱だが、過労の時や結核の時もそうなる。 隔日で高い低いがあるのは、臓器の化…

整体操法の基礎を学ぶⅡ(43)肋骨挙上法

からだの発する声に耳を澄ますとか、その微かな声を解読していくという作業が、いかに難しい事か。この講習記録を進めるほどに、その思いは深まっていく。しかし、われわれのからだ、生きて働いている私たちの身体というものの複雑さや精妙さを考えれば、そ…

身体教育研究所について

身体教育研究所のことを初めて知ったのは、月刊全生の記事を読んだ時で、すでに三十年近く前の事である。すでに記したように、私が初めて整体協会主催の講習会に参加したとき、その講師が野口裕之氏であったし、その後の講習会や研究会の指導者も裕之氏であ…

整体操法の基礎を学ぶⅡ(42)技術に於ける度の問題(二)

I先生「前回に引き続き、度の問題を行ないます。特に頸とお腹の関連を実際に自分の指で確かめて、その時の操法の度の適を得るということを、練習を通して身につけて行って下さい。では始めます。」 刺戟感受性 人間には刺戟感受性というのがあります。外側…

「月刊全生」目次散歩(3)

1965 5月号 通巻第15号 ・巻頭言 リハビリテーションの施設の在り方 ・子供と躾けの問題 人間の裡にある自律性(躾けは必要か、自然の規律、水はせきとめられるから溢れる、人間は自然の規律によって守られている、躾けが要るのは子供ではない、人間の本性は…

「月刊全生」目次散歩(2)

「月刊全生」目次 1964 9月号 通巻第6号 ・ヴァイオリン奏法と体癖(野口晴哉) ・松本ドライヴ記 ・紫煙録 ・ある対話 ・大切なものを忘れていた(小川菖蒲) ・一種と九種の無為運動(写真6) ・理由なき反抗 ・七月の体癖修正法講座(臼井) ・全生訓(背…

「月刊全生」目次散歩(1)

「月刊全生」の目次を作成しようと思います。私の手持ちの「月刊全生」のみとなりますので、欠号もかなりあります。 月刊全生 1964 3月号(第1号、「全生新聞」からの通巻第127号) *「月刊全生」は、「全生新聞」が改題されたもの。 <開館記念号> ・新道…

整体操法の基礎を学ぶⅡ(41)技術に於ける度の問題

以下は、I先生から戴いた資料の転載です。I先生は、我々受講者のために、その都度こうした資料を作成して講義に臨まれました。従って、野口氏の口述記録をもとに資料を作成したとはいえ、I先生ご自身の受講体験や、操法の個人指導を通じて得た経験も踏まえ、…

野口晴哉氏とその周辺

野口晴哉氏の著作や口述記録、月刊全生などには、氏が整体操法、整体指導を行ってきた過程で出会った、多くの会員についてのエピソードが記載されている。当然そのうちの圧倒的な多数は市井の人々なのだが、時に著名な人々の名前も散見される。それら著名な…

整体操法の基礎を学ぶⅡ(40)頸椎ヘルニアの操法

整体操法の思想や技術を少しずつ順を追って学んでいく。そうすることで初めて見えてくる世界というものがある。朧気ながら感じられてくるにすぎないが、なぜ私が野口整体にこれほど惹きつけられるかという理由もきっとその感じの中にあるはずだ。そして野口…

整体操法の基礎を学ぶⅡ(39)頸部操法における肘と手の使い方

今日の講義は、新シリーズに入って第二回目の記録です。講義はかなり以前のことでもあり、いまでもはっきりと思い出すことができるものと、まるで忘れてしまっていて改めて新鮮に感じるものとが混じり合っています。ただ、昔の私も今の私も、唯一変わらない…

整体操法の基礎を学ぶⅡ(38)生きているということ

前回の講習から二か月、I先生のご好意で、新しいシリーズを学ばせて戴けることになりました。このブログでは便宜上タイトル(「整体操法の基礎を学ぶ」)を変更しないままで、標題に「Ⅱ」を付け加えさせていただき、さらに通番を括弧書きしておきました。 I…

整体操法の基礎を学ぶ(37)鈍った椎骨の矯正

ポール・マッカートニーのナゴヤドームライブの余韻に浸ってパソコンに向かっている。今回(11.8)は妻と二人での参戦となったが、数年前の東京ドームでのポールのライブが娘と息子の家族四人でのビートルズ体験だったこともあり、少し趣が異なっていた。娘…