合掌行気の実習
野口晴哉氏のおこなった講義の口述記録を引用・要約しながら、野口整体の基本用語を学び、実習してみましょう。
手に注意を集めます。これを合掌行気と申します。
手に息を吸い込んで吐くのです。
両手の掌の間を3センチほど開いて、両手がくっついて来るのを待っているだけでも、かなり指が敏感になってきます。
ご一緒にやってみようと思います。
まず3センチほど間をあけて見ています。
手が吸いついてきます。
くっついたなら、指先から掌の下まで息を吸い込んで、それを逆に指先に向かって吐きます。
吸い込めない人は吸い込んでいるつもりになる。あるいは皮膚呼吸を感じ取るつもりになる。どちらでも良いです。
注意を集める。目を瞑ってそれを致します。
ご一緒に息を揃えていただくと、皆さん共通して敏感になります。
途中でまた息を吸うことを申しますから、その時は皆さんご一緒に息を吸い込んでください。
ではご一緒に息を吸い込んでください。はい。うーむ。(息を吸い込み堪える。)
あとはずっと掌の呼吸を続けてください。
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どうぞご一緒に息を吸い込んでください。
はい。うーむ。
息をこらえたまま手を開きます。
目を開けます。
それから息を吐きます。
今度はもう一度手を離して前に出してください。さっきとは全く違った感じになります。掌心感応がはっきりしてきます。
ちょっと立っていただけませんか。向こう側を向いて目を瞑って、ポカンとしてください。
こうやって(相手の背中に向けて)上から順に(自分の指先から)息を吐いていきます。
この部分は引っ張られますね。ここは(からだが)前に行きます。
こうやって後ろに引くところは過敏、余分に働きすぎているところ。鈍っているところは前に行きます。前に行った処と関係しているところにその人のからだの毀れる元があります。それから左右に動く場合、鈍っているというよりは怠けているところで、ずっと(指から)息を吐いていると活元運動になります。背骨の片側だけが過敏の場合は、このように捻れてきます。
では、二人になっておやりください。すんだら交替してください。
どうぞちょっとおやめください。
相手が動かないようにしておくと、相手が引っ張られたりするかわりに、自分の手が相手のからだに引っ張られて吸いついていくのです。
相手の過敏な処では吸いついていき、その逆に鈍ったところはこちらの手が離れていくのです。
ただ無心に手を出すというのが難しいんです。
いろいろ想像したり、期待したり、空想したりしてしまうので、無心に手を出せる要領を得てください。