野口整体を愉しむ

未来を先どりする野口晴哉の思想と技法

心と身体

野口整体の理解に際して、人間の現象を心と身体の二項に分けるのではなく心、心身、身体の三項に分けるとより理解しやすくなるのではないか。そうすれば野口整体の言説が三項のうちのどのレベルの現象について述べられているかがより明確になるからだ。

心それ自体の現象はわれわれのからだからは距離があるし、身体それ自体の現象もわれわれのからだからは距離がある。心と身体が密接に関係しあっている心身のレベルが野口整体の主たる対象領域であると言うことができる。

そうすれば心身問題の面倒な議論から自由になることができる。

野口整体が扱う領域は心と身体が密接に関係しあう領域を対象としている、と明確に言うことが可能となる。

この領域を「からだ」とひらがなで表記することも可能となる。心身領域と言っても同じだが、より身近な感じがして親しみももてる、

この「からだ」領域では、心的なものが身体と強い相関性をもち、心に働きかければ身体に影響をあたえ、逆に身体に働きかければすぐさま心に変化をもたらす領域である。

この両者を結び付けるのが「気」である。