野口整体を愉しむ

未来を先どりする野口晴哉の思想と技法

潜在体力

整体操法の基礎を学ぶⅡ(51)整体指導とは何か

I先生「前回は機と度と言う問題についてやりました。押さえる場所は処の問題で、初等の問題であるが、押さえた場合に、それをどの程度耐えるか、保つかということが度の問題で、放す時機を得るというのが機の問題です。今日は、そのことを踏まえながら、整体…

整体操法の基礎を学ぶ(7)腹部整圧の方法

今回も、腹部の観察についてです。I先生の講義を通して、そこからかすかに響いて来る野口氏の生の声を聞き洩らさないように、心をこめてこの記録を進めたいと思います。というのも、野口氏が最晩年に遺された「我は去る也」と題された文章には、次のような哀…

整体操法の基礎を学ぶ(6)腹部調律点の観察

野口整体を愉しむ、その愉しみの一つが操法の実習です。今日はその六回目の記録です。よき指導者に恵まれ、基礎の基礎から手ほどきを受けることの喜び。それは野口晴哉氏の声を、I先生を媒介にして、直接身に浴びるような体験にわたしには思われる。 整体操…

整体操法の基礎を学ぶ(4)椎骨の転位とその意味

I先生宅での学びの四回目。いつものように、まず、いただいた資料を友人と私で声を出して順に読み、続いて先生からの説明、講義と、それに続く実技指導とその練習。 病気は治すべきものか 病気を治すという行為は、人間の体にどのような影響をもたらすか。病…

整体操法の基礎を学ぶ(3)背骨の可動性を観察する

急所の偏り疲労 体に疲労が偏っていても、急所でなければ一晩寝れば治ってしまう。しかし肩の急所に偏り疲労が生じると肝臓や胃にも影響を与える。 足首がちょっと狂っても胃袋は悪くなる。腓骨と脛骨の間が拡がって右足が太くなると、食欲がなくなったり、…

整体操法の基礎を学ぶ(2)上肢調律点の観察と呼吸のリードの仕方

上肢調律点に触れる練習 先回述べた偏り疲労が、からだの急所に生じると、打撲したときのように、いろいろなところにその影響が生じる。 急所の打撲というのは、たとえば足の甲の第四指と第五指の間を強く打つとひっくり返ってしまう。上肢第四を強打すると…

整体操法の基礎を学ぶ(1)潜在体力と処の観察

私が友人とともに、I先生宅で教えていただいた、二年余りにわたる整体操法についての実習の記録です。I先生宅の広い和室で、先生一人、生徒二人で行っていただいた一週間に一度の三・四時間の実習についての貴重で濃密な記録です。標題のように講義・実習の…