野口整体を愉しむ

未来を先どりする野口晴哉の思想と技法

椎骨

整体操法の基礎を学ぶ(34)椎骨の可動性

椎骨の観察で特に重要なことは、その可動性を確かめることにある。可動性に異常のある椎骨が悪い骨で、その椎側にも異常がある。 背骨は揺すぶると動きます。押さえると、その反動で盛り上がってきます。この押して戻ってくる力の度合いを見ることが可動性の…

整体操法の基礎を学ぶ(33)背骨の観察

この「はてなブログ」の記録を進めながら、ふと気づくと、少しずつ読者の方の眼差しが増えてきていることがわかります。そしてそのことで、とても勇気づけられている自分がいることを感じ、また喜びを感じます。有難いことです。わずかながらでもお役に立て…

整体操法の基礎を学ぶ(30)整体操法に入る前の準備

I先生。「今日は整体操法を実際に行うに際して、みなさんが予め知っておくべきことを、練習を通してやってみたいと思います。」 操法に入る前の準備 一番初めにやることは、お辞儀をし合うということです。以前、お辞儀をしながら相手の異常を観察する、と言…

整体操法の基礎を学ぶ(29)指の操法

野口整体という一つの体系が、現代においてどのような意味をもつものかは、いまの私にはうまく答えられない。このブログで、野口氏のからだについての言葉や、からだに働きかける技法の言葉を、I先生の教えを手掛かりにして素直に感動して学んでいる自分がい…

整体操法の基礎を学ぶ(28)腰椎三番における体癖傾向の観察

腰椎三番における体癖傾向の観察 腰椎三番が前後に偏るというのは、緊張するほどに前の方に力が入る状態です。六種体癖の場合は、力が前に入っている時はくたびれている状態。いずれの場合も、三番は立って前に力が入ると、そこが飛び出してくる。背骨は正規…

整体操法の基礎を学ぶ(27)腰椎三番の左右偏りの調整

私たちのからだについて、これほどまでに豊かな彩りで語りかけてくれる野口晴哉氏に、いつもながら畏敬の念を抱いてしまう。学校などではついぞ耳にしたことのない言葉の群れ。マスメディアからは甲高い声で、日々流れてくる「早期発見、早期治療」の大合唱…

整体操法の基礎を学ぶ(22)礼について

礼について 整体操法では、礼というものは、お互いの生命を大事にする、尊重するために行うということになっていますが、そのほかにもいろいろな意味合いをもっています。 整体操法の欠点の一つとして、相手に手を当てると、つい親しくなって、余分に親切に…

整体操法の基礎を学ぶ(21)肩・肩甲骨・鎖骨の操法

I先生、「今回は、肩、肩甲骨、鎖骨をめぐる表情の観察と、その操法についてです。これまでと同様に、実際に調律点に触れてみて、自分の指で体を読むようにしてください。」という言葉で始まりました。また、「整体操法で用いられる<処>は、基本的に誰がやっ…

整体操法の基礎を学ぶ(19)病気を経過させる

第19回目のこの日の講義は、野口整体法の重要なキーワードの一つである「病気は経過させるもの」についてです。野口氏の言葉のすべてに通奏低音として鳴り響いているのが、生命や生きていることそのものへの敬意であり、生命に対しての礼をもっての受動的身…

整体操法の基礎を学ぶ(18)一側操法

今回で三回目の「一側」をめぐる講義です。一側について、これほど豊かな表現を与えている野口氏に、驚きと畏怖の念を抱かずにはおられません。素人の私たちにも何とか一側のもつ多彩な表情をとどかせようと、くりかえし繰り返し、重層的に語りかけています…

整体操法の基礎を学ぶ(17) 一側の影響圏

一側の影響圏 一側は、呼吸器の問題、生殖器の問題、神経系統の大脳緊張の問題と関係がある。一側は正常の場合、七、八本の線をバラバラと感じるが、体が悪いと一本になる。あるいは全然触らなくなる。 外側の筋肉にある線は、二本ないし三本で、これはあま…

整体操法の基礎を学ぶ(16)一側の観察

I先生からの講義の16回目。いよいよ「一側」についてである。I先生の教えは、野口晴哉先生やその高弟指導者から直接学ばれた経験と、野口先生の著作や口述記録等を手掛かりにI先生ご自身が整体指導者として積み重ねてこられた経験とが織り込まれた、得難い宝…

整体操法の基礎を学ぶ(15)脊椎操法

脊椎操法 脊椎の異常というのは、それを正すことより、それがひとりでに整っていくように仕向けることに意味がある。脊椎そのものを調整するということは、整体操法ではあまりしない。ただ、曲がっている状態に応じた刺戟を加えると、自動的に整っていく。 …

整体操法の基礎を学ぶ(14)下肢操法

新シリーズ第二回目(通算第14回)の今回は、「下肢操法」がテーマです。目指すべき美しい頂上は遥か彼方で、裾野の草木を押し分けながら、すこしずつループ状に歩みを前に進めることしか出来ませんが、それでも野口氏の導きの糸は、はっきりと示されていま…

整体操法の基礎を学ぶ(13)体の読み方

「今回から11回にわたり、触手法、呼吸法、処などを一応マスターした準段位程度の者を対象に講義、実習を行う。今回以降の内容は、各処(ところ)の具体的な使い方や矯体操法のやり方など、細部に入っていくので、たとえ練習といっても、度が過ぎると体を壊…

整体操法の基礎を学ぶ(11)技術上達のための重要事項①深息法と愉気

I先生より、「今日は整体操法初等講座としての最終回です。次回からの整体操法基礎講座の前提として、技術上達のために重要となる諸項目を説明し、実習をします。」の前置きから 11回目は始められた。 I先生の言葉や指導の向こう側から、毎回、野口晴哉氏の…

整体操法の基礎を学ぶ(10)頸椎の観察

I先生の次の言葉から第10回は始まった。「前回までは、ごく大雑把にからだの各部分の処を行いました。そこでは訓練された指で体が読めるようになる、ということが目的でしたから、少々下手にやっても害はなかった。繰り返し練習しても安全だった。そのかわり…

整体操法の基礎を学ぶ(9)下肢調律点の観察

下肢調律点に触れて処を憶える 膝窩 ここは気の問題を離れても痛い処。疲れている時、消化器や生殖器に故障があるとき、泌尿器の故障、小便の出のわるい時、みなここが痛い。ただ気が入っている時と抜けている時とでは、痛みの感じが違う。 膝の上 大腿部に…

整体操法の基礎を学ぶ(5)愉気による背骨の観察

第五回目です。読者の皆さんと同じ時空を共有できないのは残念ですが、このブログを通じて野口晴哉氏の息吹の一端を味わい愉しんでいただければと祈念します。 愉気による観察 手指で行う操法のすべては愉気が基本となっている。指の下にあるのは愉気という…

整体操法の基礎を学ぶ(4)椎骨の転位とその意味

I先生宅での学びの四回目。いつものように、まず、いただいた資料を友人と私で声を出して順に読み、続いて先生からの説明、講義と、それに続く実技指導とその練習。 病気は治すべきものか 病気を治すという行為は、人間の体にどのような影響をもたらすか。病…

整体操法の基礎を学ぶ(3)背骨の可動性を観察する

急所の偏り疲労 体に疲労が偏っていても、急所でなければ一晩寝れば治ってしまう。しかし肩の急所に偏り疲労が生じると肝臓や胃にも影響を与える。 足首がちょっと狂っても胃袋は悪くなる。腓骨と脛骨の間が拡がって右足が太くなると、食欲がなくなったり、…