野口整体を愉しむ

未来を先どりする野口晴哉の思想と技法

偏り疲労

整体操法の基礎を学ぶⅡ(57)感受性の閾値と潜在的疼痛

I先生。「初等では痛みを止める操法を練習しました、中等では痛みが操法として利用できることを前提に、あえて痛みを作り出すという練習をしています。今日は、そのことを通じて、痛みの問題をもう少し展開していきたいと思います。」 操法が痛くないと、ち…

整体操法の基礎を学ぶⅡ(51)整体指導とは何か

I先生「前回は機と度と言う問題についてやりました。押さえる場所は処の問題で、初等の問題であるが、押さえた場合に、それをどの程度耐えるか、保つかということが度の問題で、放す時機を得るというのが機の問題です。今日は、そのことを踏まえながら、整体…

整体操法の基礎を学ぶⅡ(47)尾骨操法

野口整体の知というのは、知の為の知ではなく、人間として生きていくために必要とされる応用的な知である。野口氏が、気とは何かという問いに対して、「それは気としか言いようがないのです」という答え方をしていることにも窺われるように、それがよくわか…

整体操法の基礎を学ぶⅡ(46)偏り疲労の平均化と眠りの誘導

偏り疲労 体を弛めるということ 運動というのは、体が緊(ひきしま)ることと弛むことで、それが繰り返されることで運動になっている。緊張と弛緩。集注と分散。これは人間の体に限ったことでは無く、宇宙のエネルギー全てが、集注と分散の現れであり、その…

整体操法の基礎を学ぶ(14)下肢操法

新シリーズ第二回目(通算第14回)の今回は、「下肢操法」がテーマです。目指すべき美しい頂上は遥か彼方で、裾野の草木を押し分けながら、すこしずつループ状に歩みを前に進めることしか出来ませんが、それでも野口氏の導きの糸は、はっきりと示されていま…

整体操法の基礎を学ぶ(13)体の読み方

「今回から11回にわたり、触手法、呼吸法、処などを一応マスターした準段位程度の者を対象に講義、実習を行う。今回以降の内容は、各処(ところ)の具体的な使い方や矯体操法のやり方など、細部に入っていくので、たとえ練習といっても、度が過ぎると体を壊…

整体操法の基礎を学ぶ(9)下肢調律点の観察

下肢調律点に触れて処を憶える 膝窩 ここは気の問題を離れても痛い処。疲れている時、消化器や生殖器に故障があるとき、泌尿器の故障、小便の出のわるい時、みなここが痛い。ただ気が入っている時と抜けている時とでは、痛みの感じが違う。 膝の上 大腿部に…

整体操法の基礎を学ぶ(4)椎骨の転位とその意味

I先生宅での学びの四回目。いつものように、まず、いただいた資料を友人と私で声を出して順に読み、続いて先生からの説明、講義と、それに続く実技指導とその練習。 病気は治すべきものか 病気を治すという行為は、人間の体にどのような影響をもたらすか。病…

整体操法の基礎を学ぶ(3)背骨の可動性を観察する

急所の偏り疲労 体に疲労が偏っていても、急所でなければ一晩寝れば治ってしまう。しかし肩の急所に偏り疲労が生じると肝臓や胃にも影響を与える。 足首がちょっと狂っても胃袋は悪くなる。腓骨と脛骨の間が拡がって右足が太くなると、食欲がなくなったり、…

整体操法の基礎を学ぶ(2)上肢調律点の観察と呼吸のリードの仕方

上肢調律点に触れる練習 先回述べた偏り疲労が、からだの急所に生じると、打撲したときのように、いろいろなところにその影響が生じる。 急所の打撲というのは、たとえば足の甲の第四指と第五指の間を強く打つとひっくり返ってしまう。上肢第四を強打すると…