野口整体を愉しむ

未来を先どりする野口晴哉の思想と技法

野口整体

整体操法の概念

以下では、「月刊全生」(1979.1月から2月)に掲載された野口裕之氏の「整体法について」と「整体法実践の個人指導」から引用して、まず整体操法の概要や整体法における位置づけなどについて学んでおきたい。 「整体法は、次の四者を基幹として構成されてい…

触印象の言語化

野口晴哉氏の整体操法についての講義録に貫かれている方法とは何か。わたしはそれを「過程を重視する方法」だと言ってみたい。プロセスを重視するというのは当たり前のように見えて、実は誰もが容易になしうることではない。 野口氏の言葉を丁寧に辿っていく…

野口整体を学ぶことの愉しさ

野口整体を学ぶことが楽しくて仕方がない。理由はよくわからないが、講習会や研究会、あるいは仲間内の勉強会に参加することがとにかく楽しいのだ。もちろん毎月送られてくる「月刊全生」を寝転がってじっくり読み進めることも同様に楽しい。 何十年も前に知…

気と人間関係

野口整体の根本にあるのは気である。整体操法も野口晴哉氏と被操法者との気を媒介とした、一対一の直接的な人間関係としてとらえることができる。 生きてそこにいる個人と個人の直接的な関係性の場が整体操法の場である。つまりこの対(つい)の関係性は、自…

視ることと触れること

視ることと触れることとは、対象を知るうえで不可欠の要件である。視ることだけでも、触れることだけでも、対象を構成することはできるけれども、五官のうちのどれか一つだけによって対象を構成してもそれだけでは対象を十全に知ったと言うわけにはいかない。…

からだ

からだという表現を、心的領域と身体的領域とから区別するうえで用いることにしたい。もちろんこの用い方は一般的なものではないが、心と身体が強く影響しあう心身領域のことをそのように呼べば、野口整体をより理解しやすくなると私には思えるからだ。 喜び…

心と身体

野口整体の理解に際して、人間の現象を心と身体の二項に分けるのではなく心、心身、身体の三項に分けるとより理解しやすくなるのではないか。そうすれば野口整体の言説が三項のうちのどのレベルの現象について述べられているかがより明確になるからだ。 心そ…

意識

意識によってわれわれは対象を把握する。対象はわれわれが向けた意識の幅やその深度においてみずからを顕現させると言い換えることもできる。 そのときのわれわれの方法の基礎は、五感を通じての対象の把握である。 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚など対象が…

生命

野口整体の対象は「生命」であると言える。しかし「生命」という言葉は「気」という言葉と同様に曖昧であり、ともに目で見ることも触れることもできない。 それが「生命」あるものかそうでないかを、物理的・化学的に証明できないとしても、それは現に存在し…

野口整体を愉しむ

野口整体を知ってかなりの歳月が経った。その魅力を言葉にしたいと思うことも幾度かあった。しかし、そのたびに行き詰って前に進まない。書き出しがうまく決まらないのだ。 素人の野口整体愛好家に過ぎない私には、そのような作業はいろいろな意味で無理があ…