野口整体を愉しむ

未来を先どりする野口晴哉の思想と技法

整体操法の基礎を学ぶⅢ(74)腰部活点の操法

I先生「整体操法講座の第九回目です。前回と同様、操法の基本を練習を通して身につけることを目標に行います。復習とはいえ、指先に集注して真剣にやってみてください。練習とはいえ、相手の身体に触れるということが、結果として相手の身体の自然を乱すよう…

整体操法の基礎を学ぶⅢ(73)椎側の操法等の練習

I先生「それでは整体操法講座の第八回を始めます。まずこれまでやってきた整体操法の技術や手順の基礎的な問題について、おさらいの意味で説明してみます。そのあとで、各調律点の練習を時間をかけて行ないたいと思います。」 (椎側の操法) 背骨の両端にく…

整体操法の基礎を学ぶⅢ(72)愉気法と整体操法の基本的な違いについて

「整体とは何か」、「整体操法とは何か」という問いに対して、野口晴哉氏は一般の人向けの回答と、整体指導者向けの回答の二つを示してくれています。臨機説法ではないですが、これらの問いに野口氏がいかに真摯に、かつ率直に、何ごとも包み隠すことなく、…

整体操法の基礎を学ぶⅢ(71)椎側の問題

この講義記録をブログに書き込んでいる私の心に、いつも去来しているのは、ある種の戸惑いです。野口整体の言葉が、現代を生きている私に何をもたらしてくれるものなのか。野口氏の言葉を、自分の人生のどこに位置付けていけばよいのか。上手く位置づけられ…

整体操法の基礎を学ぶⅢ(70)眼の問題

I先生、「整体操法講座第五回目の今日は、<眼>の問題について説明したいと思います。」 眼の問題、そのなかでも眼のまわりの筋肉の関係。これは頸椎二番が最初に関係してくる。眼のまわりの筋肉や粘膜の故障。トラホームとかはやり目とかは眼縁の病気です…

整体操法の基礎を学ぶⅢ(69)整体操法の対象

われわれは、体のちょっとした変化にも不安を抱いてしまう弱い存在です。あの親鸞でさえ、弟子の唯円に、自分はちょっとした体の異常に接しただけで、すぐにでも死んでしまうのではないかと不安になってしまう、というようなことを『歎異抄』の中で語ってい…

整体操法の基礎を学ぶⅢ(68)一側を読む

I先生「前回は頭部調律点の復習をしましたが、今日は背骨の触り方についての復習を行ってみたいと思います。」 頭部をやる場合に、「叩く」、「押さえる」、「愉気する」の三通りの方法がありました。場所は、大部分が頭の骨と骨の縫合部というつなぎ目にあ…

整体操法の基礎を学ぶⅢ(67)頭部調律点と解剖図

I先生の講座を通して、間接的にではあっても、野口氏の息遣いや、その情熱の形に触れることで、整体操法の凄さといものが、より鮮やかに私たちに伝わってくる、そんな想いを抱きながら、このブログを書き進めています。 最近では、多くの人達によるさまざま…

整体操法の基礎を学ぶⅢ(66)「整体操法講座」を始めるにあたって

I先生。「中等講座につづく講座を始めます。この整体操法講座は、これまでやってきた基本形を体全体、運動系全体の関連の中で、より具体的に展開できるようにする目的で行います。個々人のさまざまな運動の特徴にそって、いかにして整体指導を行っていくかに…

整体操法の基礎を学ぶⅡ(65)各体癖の特徴とその矯正法

I先生。「今日は体癖とその矯正法を概観しておこうと思います。」 12種類の体型の特徴 第一種 上下型 1.頭の系統で、一応頭で考えないと身体の働きにならない。頭が身体を支配する。 2.力が前にかかる傾向。下を向くと後ろにかかる。 3.D5から上が弛まない…

野口整体の基礎を学ぶⅡ(64)「勢い」ということ

I先生、「これまでの講座で皆さんに覚えてほしかったのは、体のなかにある力、これを一応「勢い」と呼んでおきますが、この「勢い」の使い方とその処理ということが、中等講習での重要な課題としてずっと流れていたものなんです。そこで今日は、まず「勢い」…

整体操法の基礎を学ぶⅡ(63)整体操法を行う立場について

I先生「整体操法を行うとは、どういう視点に立ってするのか。その為には、操法しようとする自分の考え方、操法する目的、操法する為に必要な立処というものを確立しておく必要があります。そういうものがしっかりしていないと、結局のところ、不安から余分な…

整体操法の基礎を学ぶⅡ(62)気と観察

明けましておめでとうございます。風もなく澄んだ夜空に星々が煌めいています。2019年が、平穏な日々の繰り返しでありますよう、心からお祈りいたします。遠くの真宗のお寺からは参拝者が順々に突く除夜の鐘の音が響いてきます。 私も体を清め、といってもお…

整体操法の基礎を学ぶⅡ(61)四十肩、五十肩

I先生「今日は四十肩や五十肩について、その治し方の練習を中心に説明してみたいと思います。」 副腎に何か異常を起こすと、胸椎の七番、八番の可動性が鈍くなってくる。その後、五年ぐらいして四十肩、五十肩というのをやる。そして頸椎の五番、六番、七番…

整体操法の基礎を学ぶⅡ(60)上肢操法、下肢操法(その3)

I先生。「今日は、下肢の操法について掘り下げてみましょう。」 坐骨操法にしても、アキレス腱部を押さえるにしても、それは足の裏が最後の負担のかかるところだからである。 坐骨系統が硬くなってくると、足の裏が熱くなり火照ってくる。その多くは腎臓関係…

整体操法の基礎を学ぶⅡ(59)上肢操法、下肢操法(その2)

忘れてしまうといけないので、このブログにメモしておこうと思う。先ほど(12月27日 pm.10)NHKEテレの番組、「欲望の哲学史~マルクス・ガブリエル、日本で語る~」(31日の午前0時45分にも再放送される。)を視ていたら、最後の方でラカンの鏡像段階の話が…

整体操法の基礎を学ぶⅡ(58)上肢操法、下肢操法(その1)

I先生「ムチウチ症で、頸椎六番、七番をこわすと、手の指が痺れるという人がいる。しかし、手が痺れるのは必ずしも頸がこわれたことが原因でないこともある。肘が狂った場合にもそうなるし、手首が狂っただけでもそうなる。あるいは心配事がある時や、エネル…

整体操法の基礎を学ぶⅡ(57)感受性の閾値と潜在的疼痛

I先生。「初等では痛みを止める操法を練習しました、中等では痛みが操法として利用できることを前提に、あえて痛みを作り出すという練習をしています。今日は、そのことを通じて、痛みの問題をもう少し展開していきたいと思います。」 操法が痛くないと、ち…

「気」とは何か

野口整体における「気」とは何か。この問いは、いつも私のなかにあり、しかも問いのままで形を結ぶことがない。野口氏の思想や技術を理解するうえで、これほど重要な言葉であり概念であるにもかかわらずである。 この「気」に対する私の漠然とした感じが、意…

『野口晴哉著作全集』 総目次 1

野口晴哉著作全集 総目次(全十巻、十一冊 株式会社 全生社刊) (註:細目内容は、少しずつ書き加えて、このブログ上に更新していきます。) 野口晴哉著作全集 総目次 1 野口晴哉著作全集 第一巻 初期論集 一 養生篇 全生論(全生について、健康と全生、疾病…

『野口晴哉著作全集』 総目次 2

野口晴哉著作全集 総目次(全十巻、十一冊 株式会社 全生社刊) (註:細目内容は、少しずつ書き加えて、このブログ上に更新していきます。) 野口晴哉著作全集 総目次 2 野口晴哉著作全集 第二巻 初期論集 二 療病談義 序 一 療病談義 本能の医術 自我は全一…

『野口晴哉著作全集』 総目次 3

野口晴哉著作全集 総目次(全十巻、十一冊 株式会社 全生社刊) (註:細目内容は、少しずつ書き加えて、このブログ上に更新していきます。) 野口晴哉著作全集 全目次 3 野口晴哉著作全集 第三巻 中期論集 一 整体操法読本 巻一 総論 序 一 整体操法とは何か…

『野口晴哉著作全集』 総目次 4

野口晴哉著作全集 総目次(全十巻、十一冊 株式会社 全生社刊) (註:細目内容は、少しずつ書き加えて、このブログ上に更新していきます。) 野口晴哉著作全集 総目次 4 野口晴哉著作全集 第四巻 中期論集 二 巻頭言集(翠ヶ丘時代) 年頭の辞 新年のあいさ…

『野口晴哉著作全集』 総目次 5

野口晴哉著作全集 総目次(全十巻、十一冊 株式会社 全生社刊) (註:細目内容は、少しずつ書き加えて、このブログ上に更新していきます。) 野口晴哉著作全集 総目次 5 野口晴哉著作全集 第五巻上 中期論集 三 健康生活の原理 健康生活の原理について(一~…

『野口晴哉著作全集』 総目次 6

野口晴哉著作全集 総目次(全十巻、十一冊 株式会社 全生社刊) (註:細目内容は、少しずつ書き加えて、このブログ上に更新していきます。) 野口晴哉著作全集 総目次 6 野口晴哉著作全集 第五巻下 中期論集 四 整体操法 Ⅰ 整体操法 Ⅱ 整体操法 Ⅲ 整体体操 Ⅰ…

『野口晴哉著作全集』 総目次 7

野口晴哉著作全集 総目次(全十巻、十一冊 株式会社 全生社刊) (註:細目内容は、少しずつ書き加えて、このブログ上に更新していきます。) 野口晴哉著作全集 総目次 7 野口晴哉著作全集 第六巻 中・後期論集 一 潜在意識教育 叱言以前 人間の探求 活元運動…

『野口晴哉著作全集』 総目次 8

野口晴哉著作全集 総目次(全十巻、十一冊 株式会社 全生社刊) (註:細目内容は、少しずつ書き加えて、このブログ上に更新していきます。) 野口晴哉著作全集 総目次 8 野口晴哉著作全集 第七巻 中・後期論集 二 体 癖 序 体癖論 人間に於ける自然というこ…

『野口晴哉著作全集』 総目次 9

野口晴哉著作全集 総目次(全十巻、十一冊 株式会社 全生社刊) (註:細目内容は、少しずつ書き加えて、このブログ上に更新していきます。) 野口晴哉著作全集 総目次 9 野口晴哉著作全集 第八巻 後期論集 一 誕生前後の生活 序 育てつつあることの自覚 愉気…

『野口晴哉著作全集』 総目次 10 ~11

野口晴哉著作全集 総目次(全十巻、十一冊 株式会社 全生社刊) (註:細目内容は、少しずつ書き加えて、このブログ上に更新していきます。) 野口晴哉著作全集 総目次 10 野口晴哉著作全集 第九巻 後期論集 二 病人と看病人 嫁と姑 背く子背かれる親 芸術論…

整体操法の基礎を学ぶⅡ(56)痛みはなぜ苦痛なのか

私はいま、パソコンの画面に向かって文字を打ち込んでいるのだが、ふと右手のマウスの矢印の表示が気になってくる。「この矢印って、まるで意識に似ているんじゃないかな」と思えてくる。矢印を動かせば、好きな処へどこでも飛んでいけるし、アイコンをクリ…