2018-01-01から1年間の記事一覧
偏り疲労 体を弛めるということ 運動というのは、体が緊(ひきしま)ることと弛むことで、それが繰り返されることで運動になっている。緊張と弛緩。集注と分散。これは人間の体に限ったことでは無く、宇宙のエネルギー全てが、集注と分散の現れであり、その…
養老孟司の近著『遺言。』(新潮新書。2017.11.20発行)を読んだ。養老氏が満80歳になって、ヒトとは何か、生きるとはどういうことかについて、全体的にまとまりがついてきたと思うので本書を書きたくなったのだという。 ここで養老氏が提起しているのは、人…
眠りを深くする 操法によって体を無理に治そうとしても、それで治しきれるものではない。その人の持っている力を発揮して、その人の力で治るようにしなければならない。ではどうしたらよいか。それには相手の眠るということがきちんと行えるようにすることで…
I先生「今日は、前にやった救急操法の中等編です。」 発熱の見分け方 熱が、朝高くて夕方が低いというのは、体のどこかが化膿している状態。朝が低くて夕方高いのはありきたりの熱だが、過労の時や結核の時もそうなる。 隔日で高い低いがあるのは、臓器の化…
からだの発する声に耳を澄ますとか、その微かな声を解読していくという作業が、いかに難しい事か。この講習記録を進めるほどに、その思いは深まっていく。しかし、われわれのからだ、生きて働いている私たちの身体というものの複雑さや精妙さを考えれば、そ…
身体教育研究所のことを初めて知ったのは、月刊全生の記事を読んだ時で、すでに三十年近く前の事である。すでに記したように、私が初めて整体協会主催の講習会に参加したとき、その講師が野口裕之氏であったし、その後の講習会や研究会の指導者も裕之氏であ…
I先生「前回に引き続き、度の問題を行ないます。特に頸とお腹の関連を実際に自分の指で確かめて、その時の操法の度の適を得るということを、練習を通して身につけて行って下さい。では始めます。」 刺戟感受性 人間には刺戟感受性というのがあります。外側…
1965 5月号 通巻第15号 ・巻頭言 リハビリテーションの施設の在り方 ・子供と躾けの問題 人間の裡にある自律性(躾けは必要か、自然の規律、水はせきとめられるから溢れる、人間は自然の規律によって守られている、躾けが要るのは子供ではない、人間の本性は…
「月刊全生」目次 1964 9月号 通巻第6号 ・ヴァイオリン奏法と体癖(野口晴哉) ・松本ドライヴ記 ・紫煙録 ・ある対話 ・大切なものを忘れていた(小川菖蒲) ・一種と九種の無為運動(写真6) ・理由なき反抗 ・七月の体癖修正法講座(臼井) ・全生訓(背…
「月刊全生」の目次を作成しようと思います。私の手持ちの「月刊全生」のみとなりますので、欠号もかなりあります。 月刊全生 1964 3月号(第1号、「全生新聞」からの通巻第127号) *「月刊全生」は、「全生新聞」が改題されたもの。 <開館記念号> ・新道…
以下は、I先生から戴いた資料の転載です。I先生は、我々受講者のために、その都度こうした資料を作成して講義に臨まれました。従って、野口氏の口述記録をもとに資料を作成したとはいえ、I先生ご自身の受講体験や、操法の個人指導を通じて得た経験も踏まえ、…
野口晴哉氏の著作や口述記録、月刊全生などには、氏が整体操法、整体指導を行ってきた過程で出会った、多くの会員についてのエピソードが記載されている。当然そのうちの圧倒的な多数は市井の人々なのだが、時に著名な人々の名前も散見される。それら著名な…
整体操法の思想や技術を少しずつ順を追って学んでいく。そうすることで初めて見えてくる世界というものがある。朧気ながら感じられてくるにすぎないが、なぜ私が野口整体にこれほど惹きつけられるかという理由もきっとその感じの中にあるはずだ。そして野口…
今日の講義は、新シリーズに入って第二回目の記録です。講義はかなり以前のことでもあり、いまでもはっきりと思い出すことができるものと、まるで忘れてしまっていて改めて新鮮に感じるものとが混じり合っています。ただ、昔の私も今の私も、唯一変わらない…
前回の講習から二か月、I先生のご好意で、新しいシリーズを学ばせて戴けることになりました。このブログでは便宜上タイトル(「整体操法の基礎を学ぶ」)を変更しないままで、標題に「Ⅱ」を付け加えさせていただき、さらに通番を括弧書きしておきました。 I…
ポール・マッカートニーのナゴヤドームライブの余韻に浸ってパソコンに向かっている。今回(11.8)は妻と二人での参戦となったが、数年前の東京ドームでのポールのライブが娘と息子の家族四人でのビートルズ体験だったこともあり、少し趣が異なっていた。娘…
I先生「前回は脊椎の矯正方法の一つとして足の操法をやりました。今日は、足を使った背骨の矯正についてやってみます。」 足のいろいろな角度で、足を利用して椎骨を矯正していく。そのためには、足が正常な状態でないとうまくいかない。たとえば、股関節が…
野口氏は、治療を捨てて体そだて(体育)に邁進すると宣言した。つまり手技療術による治療法としての整体操法を、治療法としては今後は使わない、と方向転換した。ところで、そのことの趣旨を、うまくとらえきれなかった指導者もいたのではなかったか。 治療…
椎骨の観察で特に重要なことは、その可動性を確かめることにある。可動性に異常のある椎骨が悪い骨で、その椎側にも異常がある。 背骨は揺すぶると動きます。押さえると、その反動で盛り上がってきます。この押して戻ってくる力の度合いを見ることが可動性の…
この「はてなブログ」の記録を進めながら、ふと気づくと、少しずつ読者の方の眼差しが増えてきていることがわかります。そしてそのことで、とても勇気づけられている自分がいることを感じ、また喜びを感じます。有難いことです。わずかながらでもお役に立て…
I先生「家に帰って練習できましたか。今日は三側の操法の練習を中心にやってみます。」 一側は頭の調整で変化する。なかでも頭部第二調律点と第三調律点を結んだ線上が、特に一側の調整と関連している。第四は腰椎部分と関連している。第五は胸椎部分の硬直…
I先生、「今日は整体操法を実際に行う場合の順序について説明します。」 礼 最初は礼です。礼は先回述べたように、ただ型ではなく、生命に対する礼、それがその意味するところです。同時に、礼を通して相手の動作特徴をつかみだす、きちんと観察するというこ…
I先生。「今日は整体操法を実際に行うに際して、みなさんが予め知っておくべきことを、練習を通してやってみたいと思います。」 操法に入る前の準備 一番初めにやることは、お辞儀をし合うということです。以前、お辞儀をしながら相手の異常を観察する、と言…
野口整体という一つの体系が、現代においてどのような意味をもつものかは、いまの私にはうまく答えられない。このブログで、野口氏のからだについての言葉や、からだに働きかける技法の言葉を、I先生の教えを手掛かりにして素直に感動して学んでいる自分がい…
腰椎三番における体癖傾向の観察 腰椎三番が前後に偏るというのは、緊張するほどに前の方に力が入る状態です。六種体癖の場合は、力が前に入っている時はくたびれている状態。いずれの場合も、三番は立って前に力が入ると、そこが飛び出してくる。背骨は正規…
私たちのからだについて、これほどまでに豊かな彩りで語りかけてくれる野口晴哉氏に、いつもながら畏敬の念を抱いてしまう。学校などではついぞ耳にしたことのない言葉の群れ。マスメディアからは甲高い声で、日々流れてくる「早期発見、早期治療」の大合唱…
前回の講座から自修期間が設けられ、ちょうど二か月後の開講となった。I先生から、この自修期間中に整体法を学ぶ覚悟を決めるよう促されてのことであったと思う。このことは、I先生からみた私たちに、ある基本的な部分の欠落が感じられていたということでも…
I先生「この二か月間の講座のお休みはいかがでしたか。これまで行ってきたのは整体操法の型の基礎的なこととか、操法に於ける処といったものでしたが、次に問題になるのは、それらを具体的にどのように使っていくかということです。では、さっそく始めましょ…
I先生、「お腹には、第一から第四までの調律点があることはすでに見てきましたが、その他にも恥骨の角、側腹、臍の周囲、痢症活点などがあります。今日は、それらについて説明し、練習を行いますが、今日の講義をもって、操法の型は一通り終えることになりま…
足の問題 人間は足で立てるようになり、その為に手が自由になり、手を動かすことによって頭が発達してきた。足で立つようになったために、足の少しの故障が、体のいろいろなところの故障の元になっている。特に、足首と腰との関係は密接で、どのような腰の狂…